9月12日(木)に、早稲田大学政治経済学部の荒木一法准教授をお招きして、模擬講義を実施しました。「経済学で『大岡裁き』を考える」というテーマのもと、経済学の一分野であるメカニズムデザインについてお話しいただきました。この分野は、現実を説明するために用いられる通常のゲーム理論とは逆で、目的を達成するためにゲーム的状況を想定し、それを人為的に作り出すことを目指すのが特徴であるとのことです。あるメカニズムが特定の結果を実現できるかどうかを考察するためのキーワードである「顕示原理」を手掛かりとして、「大岡裁き」において、各主体が持つ情報を偽らず公開することがその主体にとって最善の結果となるために、どのように状況を設定すればよいかを説明してくださいました。慣れない用語に戸惑いながらも真剣に耳を傾け、時には荒木先生の質問に答える生徒の様子が印象的でした。
続いて、学部卒業後のキャリアについて、卒業生の進路を紹介しながら学部選択の意義についてお話しくださいました。とりわけ進路選択を控えた3年生にとって、この話は大学進学に向けてのモチベーションを高めるだけでなく、さらに先を見据えることの重要性を実感させるものでした。